![]() |
||
![]() |
|
文明九年(1477年)上杉勢内部で起こった長尾景春の内乱を関東動乱の激化に継がると憂慮した道灌はついに戦野に雄飛することヽなった。 眠れる虎が跳躍したのである。野に放たれた虎の如く、いざ戦場に出ると道灌は強かった。二十年の間この日の為に鍛えてきた精兵と戦闘力をもってその戦法は苛烈を極め、電光石火の攻撃で敵に息をつがせぬ猛攻ぶりであった。 先ず豊島氏に勝利すると道灌は関東に於ける動乱鎮圧の先頭に立っていた。文明九年江戸城を発した道灌は約三年の間、殆んど一日の休みもなく、涯しなく広がる関東の山野を疾駆して縦横無尽の戦いを挑み、北は榛名、赤城の麓から西は秩父を越えて甲州へ、東は太平洋の波うつ銚子の岬まで転戦、その間約三十回にわたる合戦を行ったが遂に一度も敗れなかった。 道灌の鬼神にも勝るこの武攻により、さしもの激しかった動乱も鎮まり関八州にとりあえずの平穏が訪れたのである。 |